どこかにあってもいい、とある弱小文化部の青春
![]() | カナタに届け 沢金高校放送部 (一迅社文庫) (2011/02/19) 西村 悠 商品詳細を見る |
放送部を題材とした学園コメディ。
廃部勧告された弱小文化部が廃部撤回を目指し、悪戦苦闘する放送部な日々を描いた作品。
ファンタジー要素はなく、これといった大きな事件もない。
しかし、傷つくことを恐れ、逃げてばかりのあり方からくる主人公たちの抱える劣等感とか
弱小文化部の普段のゆるい活動っぷりとかイベント前に生まれる部内の団結とか
胸に溢れてくるよくわからない熱量とか、
この辺の描写の等身大感がうまく最後まで心地よく読めた。
実際、私も高校の頃は弱小文化部で放課後は部室に持ち込んだヤカンやら何やらでお茶会していた口なので
ノスタルジックな気持ちも相まって共感してしまう部分が多々あった。
大会前の変な緊張感とか盛り上がりとか、思い返すとあの頃にしか感じられないものって結構あるんだよな
としんみり懐かしくも思ってしまったのは歳かしら(苦笑