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手放せぬ想いと共に生きゆく【森山大輔短編集 魔法医猫といばら姫 (電撃コミックスNEXT) 】


森山大輔短編集
魔法医猫といばら姫

壮大な設定と作り込んだ物語
懸命に生きる魅力あるキャラクター描写で
「読める」作品づくりが魅力な
作者の2冊目
4編からなる短編集




短いながらも
森山大輔作品らしい
「読める」チカラが感じられる作品

・魔法医猫といばら姫 
・魔法医猫と硝子の靴下

魔女の呪いが残る女子校で
猫耳ロリババアな魔法医と出会った
主人公たる少女の女子校への幻想を打ち砕く
ドタバタコメディ(笑
起こる不思議事件の真相は
残念系でテイストはライトですが
最後はほっこり締めで
投げっぱなしコメディではなく
きちんとひとつのお話として形になっている事に好感

・調律師
奇跡を求める者とその代償
ダークファンタジー
寓話的掌編

森山さんの
ココロ締め付ける「痛み」の描写は
丁寧で容赦がなくて
それ故に乗り越えるときに
物語に深みが出て
毎度、チカラがあるなぁと心打たれるのですが
今作は
その痛みの巧さを垣間見れる作品


・プラネット・ブルー
孤島の田舎
父娘家庭の親子
秘められたるはSFな
繋がりの物語

著者、ワールドエンブリオへ
受け継がれた設定もあるという事で
ところどころにそれを見つけて
ファンとしてはニヤリと出来る副産物もありで
楽しませてもらいました

そうでなくても
作者さんらしい
壮大な裏設定を抱えた世界観を土台に
繋がりや絆の在り様を模索する物語は
十分「読める」作品

お父さんと先生さんの関係性も好みどストライクで
このまま長編としてつづけてほしいくらいです^^

商品紹介では
イロモノ系短編の雰囲気で
不安でしたが
読んでみればこの作者さんらしい
珠玉の短編集でした

クロノクルセイド、ワールドエンブリオが好きな方なら
ぜひ一読をお勧めしたい一品です


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