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明日のはれを信じられるここから【はれたら明日! (ウィングス・コミックス)】


はれたら明日!
全1巻(ウィングス・コミックス)
高嶋 ひろみ (著)

東京で順調な会社員生活を送っていた原田貴司は、
皆が羨む海外研修を命じられた直後
気がつくと実家の岡山に向かっていた。
故郷での暮らしは、うまくいかないことも多くて、イライラしたりヘコんだり。
でも同級生と再会したり、教育実習の教え子に励まされたりしながら、
貴司は自分が本当に進むべき道を見つけるーー。



ああ
でも
カッコわるいほうが
いろいろできるな


20代半ば
諦めた夢があった
俺の人生このままでいいのか
不可なき現在の生活を捨て
心の赴くままにえいやで夢へと飛び込む

まあ、普通は出来ない
でも
「そうしたい」という感情は
大なり小なり持っている人は多く
共感できる心情

一度は離れた田舎の故郷に戻り
クラスメイトの変わった姿
誰もが前へ進むため頑張っている
その事実に勇気づけられ

変わらず受け止めてくれる世界がある実感
その郷愁に
夢が救われる

そして
彼は自ら望む道へと
今日もまた一歩、歩を進める
悲壮で大仰な覚悟の物語ではなく
優しく温かい緩やかな時間
ゆっくりと浸りながら進むストーリー

導くのは
主人公である彼が教育実習時代の
明るく元気な少女

彼女との距離感
恋愛から一歩前というか引いた
距離が最後まで保たれる関係性も心地よい

下手にここの恋愛性を表立たせていたならば
テーマ性が霞んでいたかとも思うが
その選択が為されなかったことで
テーマ性がぶれない事へ繋がっている

恋愛面で言えば
故郷で再会した幼馴染との関係性もまた趣き深い
「変化」によって結び直されたモノ
移ろっていったモノ

それは
決して悪い事ではないけれど
ちょっぴり胸が切なくなる

けれども
それは「未来」へいろいろなモノが進んでいる
前向きな証左でもあり

…作品のテーマ性に添った
実によい塩梅のエピソードでした

そんな温かな雰囲気でつづられた物語は
共感しやすいテーマ性に
前向きな閉じないエンディングを与える

読後感は爽やかに
綺麗にまとまった
元気がもらえる作品でした


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