fc2ブログ

そして、彼女?たちは一歩おとなになっていく

少女少年 4 TSUGUMI    てんとう虫コミックススペシャル少女少年 4 TSUGUMI てんとう虫コミックススペシャル
(2001/04)
やぶうち 優

商品詳細を見る

個人的に今月は やぶうち優 月間実施中。
そんな訳で 

やぶうち優「少女少年」全7巻+1 

読了です。


女装した少年が
性別を隠し
芸能界で活躍していく中での成長を描く
一巻完結モノの連作ドタバタコメディ。

作品の見所としては
女装、芸能界と立ち位置が変わることで
今までと違ったものの見方
人の違った一面
といったものの発見。
そこから描かれる
10代前半の少年少女たちの
感情の動き。

主人公はどの巻も
声変わり前の小学6年生の少年なのですが
この作者さんはやはり
この年代の少年少女の描写がうまい。
等身大というか、共感しやすいというか。

以前の記事で触れた
「ないしょのつぼみ」
この作者の作品では一番メジャーであろう
「水色時代」
この辺りの作品で顕著に感じられるモノ。

誰もがいつか通った
思春期一歩手前から真っ只中へ向かう頃
その頃に感じたものの欠片。
そういったものを掬い上げて
創られるキャラクター。

それがこの作者さんの作品に
わたしが惹かれる一番の理由で
おすすめなポイントかな、と
再認識しました。


以下は各巻の内容に触れつつの
雑感というか
メモ書きみたいな
 
1〜3巻 3部作という位置付けらしいです(あとがきより)
    一昔前のドラマのような芸能界の描写が割にメインとなっている。
    1,2巻はストーリー展開にやや荒さを感じた。
    逆に3巻はシリーズ中でもストーリーが綺麗にまとまっている方で
    完成度が高いイメージ。

4巻   ヒロインと女の子として友達になっていく中で
    ばれない様に早着替えで四苦八苦するお約束な描写が多い
    連作の中では女装モノとして一番ベーシックなストーリー構成。
    女装バレに関するヒロインとのやり取りは王道で
    その部分はシリーズの中では一番好みかも。

5巻   3巻と並びストーリーの柱が一番しっかり纏まっている印象。
    話の焦点がわかりやすいこと、3巻よりは今風というか
    現在の流行に近いイメージで今読むと作品完成度としてはシリーズいちかも。

6巻   これは5巻とは逆にイロモノエピソードに尺を取りすぎて
    テーマがぶれてしまった感じ。
    キャラクターに関してはツンデレ系なヒロインに2枚目になれない男ライバルと
    受けがよさそうではあるのだが。

7巻   ストーリーの仕掛けとしては悪くはないのだがそれをやるには
    尺が足りなかったかなという印象。
    ヒロインやラストの演出は好きな展開だっただけに
    それが活きるだけの前フリが量的に不足していたのが残念。

(+1)GO!GO!ICHIGO
上記7巻が「小学5年生」掲載だったのに対して
   上記終了後ちゃおにて掲載された基本1話完結形式の一冊。
   芸能界ネタはなく、主人公もヒロイン視点のため
   上記7巻とは別物とみるのが妥当か。



人気ブログランキングへ

    

0 Comments