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たゆまぬ思考で運命に立ち向かう物語【絶園のテンペスト(ガンガンコミックス)】

絶園のテンペスト(6) (ガンガンコミックス)絶園のテンペスト(6) (ガンガンコミックス)
(2012/05/12)
城平 京、彩崎 廉 他

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妹を理不尽な形で失い
復讐者となった少年
一族の裏切りに会い
孤島へとひとり流された魔法使いの姫君たる少女
それは偶然か、必然か
二人の運命が交わった時
理不尽を前に立ち止まってた
もう一人の少年を巻き込み
3人は世界の命運をかけた戦いへと
踏み込んでいく


好きだった
スパイラルと同じ原作者ということで
既刊6巻 読破

腹の探り合い
神格的,運命とも言い換えられる存在へ
思考を重ねることで
迫っていく展開

ファンタジー要素が入ってはいますが
城平京氏原作のスパイラルや
著作 虚構推理に見られる
この原作者らしいテイストで
実に好みの雰囲気

シェイクスピアの引用
古今東西、ミステリをもじった副題など
装飾過多の気すら感じる
蘊蓄満載の台詞群なんかは
好きな人には堪らないのではないかと思う

キャラクターの掘り下げも
丁寧で好感

常識人なように見えて
どんな時も飄々としている
ある意味、そこの知れない怖さのある
主人公である吉野
そんな彼という人間と
亡くなった彼女である愛花という人物を
描いていく回想シーンの挟み方が実に絶妙

当初はこんな淡々とした性悪そうな女のどこに
そんな思い入れをしているんだという
側面もありましたが
回想を重ねるごとに
その認識は変わり

愛花の吉野に対する
ある種、全肯定ともいえる
想いの寄せ方、その強さ
それをしっかり受け止めていた吉野という
ふたりのあり方に
思い入れがもてる見事な構成

そんな回想の積み重ねがあるからこそ
5巻での吉野が抱えていたもの
本音を吐露するシーンは
真に迫った感を素直に受け取れました

また回想編に対して
現代軸 ヒロインともいえる
魔法使いの姫君 葉風も
同様に読んでいく中で
印象の変わったひとり

初登場時は
超然とした立ち位置で
ヒロインには成りえず
女っけのない作品になるかと思いきや
こちらもいつの間にやら
ラブコメできる可愛らしい女子に
「これは何か?ラブコメなのか!?
世界の命運をかけたラブコメなのか!?」

は実に名言

あとがきにて
悲劇的結末を迎えるような事を
仄めかされているのが気がかりですが
どうか彼女に幸あらん事をw

9月発売予定の7巻では
世界観の根底部分に踏み込む模様
SFにミステリにと
これでもかと詰め込んでいますが
果たしてどう物語を収束させるのか

スパイラルでの物語の締めが巧かっただけに
今回も衝撃的なクライマックスを
期待せずにはいられませんね

スパイラル―推理の絆 (15) (ガンガンコミックス)スパイラル―推理の絆 (15) (ガンガンコミックス)
(2006/01/21)
城平 京、水野 英多 他

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虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)
(2011/05/10)
城平 京

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