〝半ひきこもりさん〟なわたしの二次元への日々の沈みっぷりを気まぐれに

譲れないその一線を【リカーシブル(新潮社)】

リカーシブルリカーシブル
(2013/01/22)
米澤 穂信

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父の失踪により母の故郷に引っ越してきた
中学一年の姉ハルカと小学3年の弟サトル
引越し先であるとある地方都市は
閉鎖的な村意識が漂い
余所者であるハルカは
その空気に微かな違和感を感じながらも
溶け込んでいこうと日々を過ごす
しかし、一方で弟が
急に予知能力らしきものを発揮し始め…

街に今も息づく「タマナヒメ」の伝説
そこに街への高速道路誘致を巡る不穏な過去の人死が絡み
ハルカはその渦中へと踏み込んでいくこととなり…

思春期の少女へ降りかかる過酷な運命
押しつぶされそうになりながらも
強く生き抜こうとする少女の姿が
ほろ苦くも美しい青春ミステリ

「氷菓」「小市民」シリーズの著者
米澤穂信が描く2年ぶり長編青春ミステリ

以下内容に触れつつ





閉鎖的な村意識が漂う地方都市に
転校してきた中学一年の女子・ハルカが
主人公のほろ苦い青春ミステリ

伝奇モノの雰囲気が漂い
何かあると思わせるも致命的な出来事は起こらないゆえ
ひたひたとくる薄ら寒さが煽られる序盤

ひとつの決壊から畳み掛けるかのように
一気に事件が動き出す終盤
散りばめられていたピースが綺麗な収束を見せる謎解きと
引き込まれる見事な構成
そして、ほろ苦くも一筋の希望が感じられるラストと
米澤穂信節が光る作品

キャラクタ造形の妙
誰もが腹に一物抱えて生きている
完全なる善人などいないし
なれるものでもない
そんな人の二面性を含んだ人物描写が巧い
だからこそハルカの唯一の大人の味方ともいえる
素朴な三浦先生が際立っていましたし
そんな大人たちへ抗おうとする主人公ハルカの
清々しさ、力強さが光る

世間の荒波、理不尽に押しつぶされそうになるも
自身の矜持を守りきろうとする彼女の姿には
胸打たれるものがありました

「いちおう、お姉ちゃんだからね」
中学1年の女の子には
あまりにも酷な現実が突きつけられた後
ある意味シンプルな感情に従い
自分は抗うのだという
彼女の意志も篭ったこの台詞は
響く名台詞
この一線は譲らない
曲げてやらないぞという
彼女の生き方への宣言にも思えて
胸を掴まれました


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[ 2013/02/04 21:48 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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